混迷する現在、立山曼荼羅は大きな意味をもつように思う。なぜなら、この絵(立山曼荼羅)には山中他界観や地獄観、山中浄土観など日本人の死後世界観をはじめ、輪廻・転生の思想、神仏習合の思想、十王思想、密教、浄土宗、修験道など、先人が長い時間をかけて形成してきたさまざまな思想や宗教が、いわば知恵袋のごとく凝集して込められているからである。
『立山曼荼羅 絵解きと信仰の世界』福江充著 法藏館より
~立山信仰、立山曼荼羅、立山登拝・・・・立山から日本の信仰を学び、平和を祈る旅です~
立山といえば、立山信仰、立山曼荼羅という、さまざまな日本にあった宗教が一体となって大人の宗教教育や子どもの道徳教育の教材として効果を発揮していましたが、今はこうした文化が廃れてしまいました。
しかし、ここからが立山の素晴らしいところ!
誰もが堕ちる恐怖の地獄世界に対し、立山山中に玉殿窟のように阿弥陀如来が顕現する聖地があり、立山連峰の浄土山かあるいはその背後のどこか遠い彼方に、救済の世界として極楽浄土が用意されています。
ただし立山も女人禁制の山でしたが、女性に対しては登山の代わりに山麓の芦峅寺で布橋大灌頂の法会を行って、極楽往生の願いをかなえていました。
こうした一連の内容は立山曼荼羅に描かれ、立山信仰を布教した立山衆徒(芦峅寺と岩峅寺衆徒)に絵解きされ、全国的に大変人気を集めたのだそうです。
また、立山の地獄谷で修行していた僧の前に、地獄に落ちた娘があらわれ、助けた話が平安時代の「今昔物語集」に書かれています。立山は地獄の山として知られていたんですね。
夏の立山は観光客であふれるシーズン。美しい山々を見るのにおすすめです。
立山の頂上まで登りますので、登山の準備が必要です。登山をしない方はご相談下さい。
立山の地獄・極楽について学びながら、私たちの普段の生活や日常を見直す機会になるかもしれません。皆様の参加を、心よりお待ちしております。
頂上に神職さんが登拝の人たちを待っていらっしゃる!